日本だけでなく、世界的に猛暑が続いている今年の夏。
外出が億劫になるほどの気温だが、今日も全国のホールには多くのファンが集い、ジャグラーのシマも活況を呈している。
彼らを惹きつけるジャグラーの魅力とは一体何か。ある人は「シンプルなゲーム性」、ある人は「特有の連チャン力」などを挙げるだろう。
もちろん、それらも重要な要素である。しかし、プレイヤーの奥底を探っていけば、それぞれが個別に感じている魅力……すなわち「打つ理由」が存在するはずだ。
この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。
さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。
【Vol.45 ジャグと数式の美しき関係】
■日時:2023年7月某日(水) 19:00
■場所:東京都・某区
■取材対象:ATさん(推定37歳・男性・教師)
※了承を得た上でインタビューしています(フィクションも含みます)
――Youは何しにジャグラーへ?
「いい質問ですね」
――……あ、ありがとうございます。
「私は高校で数学を教えている教師です。職業柄、ジャグラーは実に面白いと感じます」
――数学とジャグラーに関係性が?
「乱数の波・曲線は芸術の域ですね」
――難しいことは分かりませんが、それってジャグ連のことですか?
「65536が持つ無限の可能性。それを見事にコントールしてプレイヤーに興奮を与える。スゴいですよねぇ」
――あのー、私の話を聞いていますか?
「え? 何か?」
――要するに、ジャグ連がスゴいってことですよね。
「そんな下等な話じゃありません。例えばマイジャグⅤの設定6でボーナスが100G以内に連チャンする割合は、1-(◯◯……」
――数式的なものを語られても困ります。
「で、58%ぐらいになります。それなのに、実際は理論値を大きく超えるような連チャン力を度々見せる。実に素晴らしい!」
――やっぱり、ただジャグ連のスゴさを語りたいんですよね?
「……はい。でも、もう少し高尚な話をさせてください」
――いえ、もうお腹いっぱいです。じんましんが出てきました。
「私の話を聞いて、じんましんが出た!? 確率はどれぐらいかな……」
――そんなの算出できませんよね?
「ざっくりなら可能なはずです。まずは私とあなたが出会う確率から考えないと」
――もう結構ですから。ジャグ連を目指して、勝負に集中してください。
「勝負に集中? その確率はどうだろうなぁ。え~っと、まずは……」
ATさんに幸あれ。
Youは何しにジャグラーへ?
板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。