パチンコ店の衰退要因は様々あると思われますが、根本的なことを言うと若年層の人口減少も問題ではないかと考える中野和彦です。
BIGLOBEがZ世代を対象に子供に関する調査。
結果は、結婚もしたくないし子供も欲しくない、結婚はしたいが子供を欲しくないなどを合わせた、「子供を欲しくない」という回答が45.7%を占めたそうです。
ちなみに、25年前の1996年の調査結果によれば、子供を欲しくないという回答は7%だったのだとか。
子供を欲しくない理由としては、お金がない、育てる自信がない、苦手、などが挙がったそうです。
それでなくとも人口が少ないZ世代がこのような思考だとすると、少子高齢化は加速することが予測されます。
そうなると、パチンコ・パチスロの遊技人口はさらに減少することが懸念され、10年後・20年後はホールの業績もますます厳しくなると思われます。
少子化に関しては、我々の努力でどうにかできるものではないですし、政府のお偉方になんとか打開策を示していただきたいものです。
さて、今回はシンプルにジャグラーの現状について伺っていきます。
取材対象は首都圏のX店。約300台の中規模店で、ジャグラーの設置比率は約20%。現状はジャグラーにそれほど力が入っていないと思われるホールです。
※写真はイメージです
中野「よろしくお願いします。本日はジャグラーの現況についてお伺いしたいです」
X店長「分かりました。よろしくお願いします」
中野「まず、ジャグラーに特化したイベントは行っていらっしゃいますか」
X店長「やっていませんね。店全体のイベントでもジャグラーの設定を極端に上げることはありません」
中野「ということは、ジャグラーはひたすら通常営業ということでしょうか」
X店長「概ねそんな感じですが、周年とか大々的に広告を打つイベントでは設定を上げますね」
中野「5の付く日とか月イチイベントで、ジャグラーが対象とならない理由は何でしょう」
X店長「イベントだけ来店する人に荒らされたくないからですね。イベントで一見さんに還元して、通常営業で常連さんから搾り取ることはしたくないので」
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中野「稼働を上げる仕掛けはしない感じでしょうか」
X店長「イベントをやらないといっても、常に一定の設定状況というわけではありませんから、多少のアゲサゲはしていますよ」
中野「なるほど」
X店長「それにイベントをやらない分、通常営業は甘めに運用しているつもりです」
中野「配分としてはどんな感じでしょうか」
X店長「予算によって多少変わりますが、基本的にアイムとマイジャグは設定2・4・5、ファンキーとハッピーは設定1・4って感じです」
中野「ゴージャグはどうでしょう」
X店長「新台特需がありましたので設定5を多めに使っていましたが、今後はアイムと同じように使う予定です」
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中野「ちなみに、数ヶ月に1回のイベントの時はどうなるんでしょうか」
X店長「全ての機種に設定6を使い、設定4・5も複数投入といった感じですね」
中野「機種毎の差はないんでしょうか」
X店長「大きな差はつけていませんが、優先順位で言うとマイジャグ>アイム≧ゴージャグ>ファンキー>ハッピーですね」
中野「マイジャグを優先させると、それこそ上級者に占領されてしまうのではないでしょうか」
X店長「とは言え、周年とか激アツイベントの時だけなので」
中野「そうなんですね」
X店長「イベントは割の高い機種を狙う人が多いので仮にマイジャグを全台設定1にしても埋まると思います。ただ、マイジャグでブチ抜くのは危険なんです」
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中野「でも、上級者を排除して常連に勝たせるのであれば、マイジャグを低設定で固めてアイムに高設定を集中させることも出来るんじゃないですか」
X店長「ジャグラーだけで考えればそうかもしれませんね。ただ、マイジャグでブチ抜くとイベントそのものの信頼が失墜してしまうので、それはできません」
中野「なるほどですね」
X店長「最悪はAT機にまで影響しかねないので」
中野「では、稼働についてですが、月イチ・月ニレベルのイベントでは、それほど稼働も上がらないということでしょうか」
X店長「それが、期待して座る人が多少いるんですよ。他店のイベントほどではないでしょうけど、通常営業よりは確実に稼働が上がります」
中野「でも、設定状況は変わらないんですよね」
X店長「方針としてはそうなんですが、スマスロの稼働がよくて余裕があるので通常営業よりはマシですね」
※写真はイメージです
中野「どのような感じでしょうか」
X店長「まあ、イベントと呼べるほどの配分ではありませんが、設定1の数が減る感じです」
中野「余裕が有る時に若干還元して、それ以外は通常。ただし、通常営業の割は高めということですね」
X店長「そうですね。ジャグラーは全機種確実に6年間使えるので、超薄利で良いと考えています」
中野「それはそうですね」
X店長「ですので、イベントでの稼働よりも通常営業での稼働を保てるかが重要だと考えています。なので、通常営業でブチ抜くことはありません」
中野「ありがとうございました」
※写真はイメージです
ジャグラーは聖域、かつてはそう考える店長も多かったように思いますが、昨今はイベント時にしっかり高設定を投入するホールが多くなりました。
現状、イベントでの集客がホールの強さを示す指標の一つになっています。
X店長のお考えはごもっともで、常連さんを守って荒らされることを防ぐのは重要なことですが、それは一定数以上の常連さんを抱えているからこそ出来る手法。
情報が氾濫し、客が流動的になった現在、そのような運用を出来るホールは少ないのかもしれません。
ホールサイドのジャグ雑感
中野和彦(なかのかずひこ)が自分の人脈を最大限に引き出し、ホールによるジャグラーの扱い方などを紐解く。読者の皆様にホール店長の考え方やジャグラーシリーズの設定配分などを知っていただくための取材日記。