その知名度と人気の高さによって、もはやパチスロの代名詞ともなっているジャグラーシリーズ。
今日も全国津々浦々のホールでは、ジャグラーのシマに多くの老若男女が集っている。
このように数多の人間を魅了している要素は一体何か。基本的にはシンプルなゲーム性と、得体の知れないボーナス連チャン力、そしてギャンブル的な興奮だろう。
しかし、きっとそれだけではない。ジャグラーには底知れぬ奥深さがあり、それに伴い各プレイヤーが「打つ理由」もほぼ無限に存在するはずだ。
この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。
さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。
【Vol.43 世界の陰謀とジャグラーと】
■日時:2023年6月某日(水) 21:00
■場所:東京都・某区
■取材対象:ARさん(推定48歳・女性・パート)
※了承を得た上でインタビューしています(フィクションも含みます)
――Youは何しにジャグラーへ?
「世界の秘密を知るためよ」
――えっ、世界の秘密!?
「裏で世界を牛耳る巨大組織がアメリカにあることは知ってるでしょ?」
――え? いやぁ……そ、そうなんですか?
「そこが大昔にスロットマシンを開発した。パチスロの原型よね」
――原型であることは間違いないです。
「それで、なぜパチスロができたのか。その組織が日本で洗脳作戦を開始したってわけ」
――どんな洗脳を?
「一言で言えば、日本をギャンブル漬けにすることで、国力を減らし、アメリカの言いなりにさせるってことよ」
――今現在、国がギャンブル漬けになっている感じはしませんけど。
「…(無視)」
「それにね、パチスロで使った円が世界を巡って、結果的に某国の兵器になってる。今この不安定な情勢は、パチスロにも責任があるのよ」
――そりゃ責任はゼロじゃないかもしれませんけど、大げさでは?
「とにかく、こうしてジャグラーを打っていると、なんだか世界のカラクリが頭に浮き出てくるの。ジャグラーはパチスロの代表格だし」
――それが打つ理由だと。
「疲れちゃうけどね。みんなが知らない世界のルールを知っちゃうから」
――あなたの最終的な目標は?
「世界の陰謀をすべて暴き、真実を知らしめることね。早くみんなの目を覚まさせないと」
――そのためにも、まずはジャグラーで自身の考えを研ぎ澄ませると?
「そう、その通りよ」
――ところで、ジャグラーは週に何回ほど打っていますか?
「え? 毎日に決まってるじゃない」
――あなたの論理で言えば、結局アメリカの思うツボじゃないですか。
「あ・え・て。わざと自分から飛び込んでいるの。頭の中は冷静なんだから」
――そ、そうですか。
「キャッ! また光った! これでBIG3連チャンよ! ドル箱に移そっかな? やっぱりまだ移さない? どうしよっかなぁ!」
――ノリノリですね。
「ジャグラー漬け、最高じゃない! アメリカのおかげだわ!」
ARさんに幸あれ。
Youは何しにジャグラーへ?
板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。