企画

GOGO!懐古主義者【Youは何しにジャグラーへ? 42人目】

2023年7月6日

パチスロを嗜む者だけでなく、世間一般でも高い知名度を誇るジャグラーシリーズ。

全国各地のジャグラーのシマには、初打ちから数十年のベテランまで、連日多くのプレイヤーが集っている。

彼ら、彼女らが求めているものは、ゲームとしての興奮、ギャンブルとしての成果だろう。

当然、その思考は優先されて然るべきもの。しかし、自らの奥底に流れる欲求をじっくりと探ってみれば、きっと様々な「打つ理由」が漂っているはずだ。

この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。

さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。

 【Vol.42 GOGO!懐古主義者】

■日時:2023年6月某日(土) 13:00
■場所:東北地方・某県某市
■取材対象:AQさん(推定78歳・男性・無職)
※了承を得た上でインタビューしています(フィクションも含みます)

――Youは何しにジャグラーへ?

「あ゛ぁ? なんだ、おめぇは?」

――あ、いや、ちょっとお話を聞きたくて。

「パチンコ屋では、一人黙って打つのが昔からの礼儀ってもんだべ。そだのも分がんねぇのか? 困っちまうわ。なぁ、高橋さん」

――あなたも隣の方と話しているのでは?

「やがましいわ! 大体、最近の若けぇ奴らは何を考えてんだか。リールも見ねぇで、電話ばっかり見てよ」

――スマホのことですか。そういう人も増えました。

「勝負に集中しねぇで、何してんだ? ったく」

――動画などを観ている人もいますけど、機種の情報を調べている場合も多いと思います。

「昔はよ、雑誌を買ったり、自分で色々調べたりしてたんだ。そっちのほうが楽しいに決まってっぺよ」

――そういう意見もあるんですね。

「なんでも便利になりすぎだ。昔なんて、コインを買うにも専用の販売機まで歩いてたんだぞ。あの頃は良かったなぁ。パチスロも昔のほうが良かったわ」

――でも、貴方は今もジャグラーを打っていますよね。

「この台はよ、昔っから何も変わってねぇべ? だから打ってる」

――ずっと馴染みがあるから打てると。

「でも、このMAX BETってやつは要らねぇ。1枚ずつのボタンで十分だわ」

――さすがにMAX BETはあったほうが良いような…。

「……(無視)」

「ほんと、あの頃は良かったわ。店員も怖くてよ、店全体に殺気っつーか鉄火場の雰囲気があったもんな」

――今のホールはダメですか?

「女とイチャイチャしながら打ってるヤツ、あれが一番ダメだな」

――なぜですか?

「なぜって、ダメなもんはダメだべ!」

――明確な理由はないんですか。

「なんだ? オレに文句あんのが?」

――そ、そういうわけじゃありませんが。

「もう気分悪いから帰るわ。ったく、最近はロクでもないヤツばっかりだ。んじゃな」

――あ、このお店はパーソナルシステムですから、コインを持っていく必要はないですよ。

「あ゛ぁ!?なんだそれ? 店員呼んで説教してやっぺ!!」

AQさんに幸あれ。

Youは何しにジャグラーへ?

板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。

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