昨今のパチスロ業界は、完全6号機時代の到来やスマスロの導入などが始まり、大きな変化が生じつつある。
しかし、常に変わらない存在がいる。そう、ジャグラーシリーズだ。
今日も全国のホールでは、シンプルなゲーム性や独特の連チャン性能などに魅了され、多くの人間がジャグラーのシマに集っている。
彼らが一義的に求めるものは、やはりギャンブルとしての成果だろう。
しかし、それぞれが抱える「事情」「背景」「性格」などを深掘りすれば、きっと金銭以外の「打つ理由」があるはずだ。
この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。
さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。
【Vol.31 ジャグの騒音おばさん】
■日時:2023年1月某日(火) 16:00
■場所:南東北・某県某市
■取材対象:AFさん(推定70歳・女性・無職)
※了承を得た上でインタビューしています(フィクションも含まれます)
――Youは何しにジャグラーへ?
「(精算ボタンを押す)ヘヒャへフォヘニャフニョ%$&#♪♫~!!」
――うわっ!! びっくりしました。ちょうどヤメるところでしたか?
「いや、オラまだヤメねぇぞ。この台、打ちてぇのげ?」
――いえ、そういうわけじゃ……。なぜ精算ボタンを?
「なぜって、常識だっぺよ。ボーナスを消化した後は一旦クレジットをオフにする。そうすれば連チャンしやすいんだ? 知らねぇのが、おめさんは」
――そ、そうですか。知りませんでした。
「で、要件は何だっぺな?」
――ジャグラーを打つ理由をお聞きしたくて。
「そりゃ、やっぱ勝てっからな」
――クレオフ攻略法で勝っている?
「んだ。3年前に常連の工藤さんからこっそり聞いてよ、そっからはもう……(精算ボタンを押す)ヘヒャへフォヘニャフニョ%♪♫~!!!」
――うおっ! 唐突なクレオフ! またボーナスを引きました?
「いや、なんだか悪い流れが来そうだからよ」
――クレオフすれば、いつでも流れが変わる?
「これはオラが独自に編み出した。そこそこ効果あんだぞ」
――頻繁にクレオフしていると、周囲の方に驚かれませんか?
「そうだなぁ。この前、隣で打っていた工藤さんに舌打ちされたっけな」
――師匠の工藤さんもイラつくほどクレオフしているんですね。
「関係ねぇべ。勝つためには周囲の迷惑なんて気にしちゃダメだっぺよ」
――さすがに公共の場所ですから、やりすぎるのは…。
「(押す)ヘヒャへフォヘニャフニョ%$&#♪♫~!!!!」
――ぐおっ!! 予期せぬタイミングで腰が抜けそうになりました。
「へへっ、この攻略法をやってると、周りの客が減って快適に打てんだ」
――もはや、他のお客さんへの嫌がらせでは?
「それなら、オラがいない店で打てば良いべよ? ほら、引っ越~し、引っ越~し、さっさと引っ越~し!! (ポチッ)ヘヒャへフォヘニャフニョ%$&#♪♫~!!」
AFさんに幸あれ。
Youは何しにジャグラーへ?
板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。