今日も全国津々浦々のホールで、圧倒的な集客力を見せ続けているジャグラーシリーズ。
性別、職業、国籍などに関係なく、誰にでも公平かつ平易なゲーム性、そして誰にでも平等にもたらされる「ジャグ連」により、多くの人間の脳を刺激している。
もちろん、ジャグラーの魅力はそれだけに限らない。それぞれの人間にとって「刺さる」ポイントは異なり、それに伴い「打つ理由」も変わってくるはずだ。
この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。
さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。
【Vol.30 背徳の放課後ジャグラー】
■日時:2023年1月某日(金) 20:00
■場所:東京都・某区
■取材対象:AEさん(推定30歳・女性・教員)
※了承を得た上でインタビューしています(フィクションも含まれます)
――Youは何しにジャグラーへ?
「うわっ! あっ、こんばんは……」
――え? あ、こんばんは。
「……慶太くんのお母さん、ですよね?」
――いえ、違いますけど。
「もしかして、ほかの保護者の方ですか?」
――私に子どもはいません。純粋にお話を聞きたくて。
「はーっ、良かったぁ。もぅ、驚かせないでください」
――今のお話を聞くと、学校の先生ですか?
「はい。ここから10km離れた小学校で5年生のクラスを受け持っています。大きな声じゃ言えませんけど」
――大きな声じゃ言えない?
「教師がパチ屋にいるなんて、バレたら大変じゃないですか。保護者の方に凸られそうだし、SNSで叩かれそうだし。『スロ教師』とか呼ばれちゃったり。フフフ」
――それでも、ジャグラーは打ちたいと。
「はい。実は学生時代に彼氏からジャグラーを教わって、そのまま習慣になって。でも、保護者の方にバレるのはイヤなので、少し遠出して打っています」
――ジャグラーの一番の魅力は?
「みんなと同じで、GOGO!ランプが光った瞬間ですかね。あ、でも最近は違う目的もあるかな」
――違う目的?
「誰かに隠れてコッソリ打っている……って考えると、なんだかゾクゾクするんですよね。背徳感っていうんですか、ダイエット中に思いっきりポテチを食べる瞬間みたいな」
――なんとなく分かる気がします。
「本当なら、別にコソコソしなくても良いはずですけど。教師だろうが何だろうが、ジャグラーを打つ権利は誰にでもありますし」
――でも、逆に最近はコソコソして、ゾクゾクしたいと。
「はい。もちろん、実際にバレたら怖いという感覚もありますしね」
――がんばってください。
「実は今度、学校関連のSNSに『スロカス教師がいるぞ』って自ら書き込もうと思っているんです。さらに緊張感が高まるなかでジャグラーを打つ……想像しただけでゾクゾクします!」
AEさんに幸あれ。
Youは何しにジャグラーへ?
板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。