2023年に突入しても、相変わらず圧倒的な集客力を見せているジャグラーシリーズ。
年齢、性別、国籍などを問わないシンプルなゲーム性はいつの時代でも輝き続け、ギャンブルの射幸性とともに多くの人間を魅了している。
一方で、ジャグラーに集う人間たちの「打つ理由」を画一的に判断してはいけない。
きっとゲーム性やギャンブルなどの枠を超えた、特別な「何か」が存在するはずだ。
この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。
さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。
【Vol.29 ジャグラー芸人道】
■日時:2023年1月某日(水) 13:00
■場所:東京都・某区
■取材対象:ADさん(推定23歳・女性・アルバイト)
※了承を得た上でインタビューしています(フィクションも含まれます)
――Youは何しにジャグラーへ?
「いきなり大喜利のお題ですか? そうだなぁ……」
――いや、大喜利じゃなくて真面目な質問です。
「せっかくの機会ですし、ちょっと待っててくださいね。えっとぉ……」
――というか、あなたは芸人さん?
「今はアルバイトしながら、お笑いの勉強をしています」
――普段からパチスロは打つ?
「実は、今日が初めてなんです。1人でパチンコ屋さんに入って、もうドキドキで」
――貴重な日にお会いできました。なぜ打とうと?
「パチンコやパチスロを打っている先輩芸人さんが多いので、私もやらなきゃって」
――先輩に憧れて、と。
「芸人として、きっと何か役に立つことがあるんですよね?」
――「ですよね?」と聞かれても私は分かりません。
「先輩方はジャグラーをよく打っています。なぜですか?」
――質問されても知りませんって。身近でシンプルなギャンブルだからじゃないですか。
「たしかに、昔から飲む・打つ・買うは芸を磨くって言いますもんね。なるほどぉ」
――あくまでも昔の話ですよね。
「でも、面白い先輩は今でもお酒を飲むし、ジャグラーを打つし、それに……。私も見習わなきゃ!」
――見習うのはそこじゃない気がします。
「しかも、面白い先輩はギャンブルで借金を抱えて、それを笑いにしている! これだ!!」
――いろいろと間違っているような……。
「ジャグラーって、どれぐらい負けられます? 負け方を教えてください!!」
ADさんに幸あれ。
Youは何しにジャグラーへ?
板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。