季節や天候などを問わず、いつでも我々に娯楽を提供する空間――。
日本の現代文化の一つとして、世界中から認知されているパチンコ店には今日もさまざまな人が集まっている。
そのなかでも、多くのプレイヤーから人気を博しているのがジャグラーシリーズだ。
GOGO!ランプが光れば、ボーナスが揃ってコインが吐き出される……というシンプルなゲーム性により、楽しさを簡単に味わえることが人気の大きな要因だろう。
しかし、画一的な判断は禁物である。
ジャグラーと対峙するプレイヤーの内側をじっくりと深掘りすれば、それぞれに一般的な枠を超えた「打つ理由」が存在するはずだ。
この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。
さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。
【Vol.27 Go To Juggler東京ツアー】
■日時:2022年12月某日(木) 16:00
■場所:東京都・某区
■取材対象:ABさん(推定28歳・男性・職業不詳)
※了承を得た上でインタビューしています(フィクションも含まれます)
――Youは何しにジャグラーへ?
「What's?」
――あっ、海外の方でしたか。Why did you come to Juggler?
「ナンヤネン、ソノ英語。ヘタクソカ」
――関西弁!? 日本語が分かるんですね。
「ワタシは日本語OK。日本ニ来て6年ヤシ。今日ハ米国ノ友人ト一緒ナンヤ。日本語デイウ『ツレ』ヤネ」
――あ、隣はお連れの方なんですか。
「旅行デ東京ニ来タカラ、パチスロデ遊ビタイッテ。ワタシ、アテンドシテル。ガーシーミタイナモンヤワ」
――そうですか。数ある機種のなかで、なぜジャグラーを?
「見タ目ガカッコエエ。素敵ヤン?」
――ちなみに、あなたは今までジャグラーを触ったことがある?
「アラヘンヨ。デモ、スロットマシント同ジヤロ?」
――いえ、結構違うと思いますけど。
「ソウナン? ダカラ、ナカナカ揃ワヘンノ?」
――だって、ずっと1枚がけで打ってますもん……。
「Yes!! ツレノ台、ブドウガ揃ッタ!! 8枚モ出タワ!」
――あのー、このままじゃ勝てないと思います。
「ソウナンカ。ジャックポット的ナモノハ?」
――ジャグラーは基本的に3枚がけでプレイして、ここのランプが光ったらボーナス。7が揃えばコインがたくさん出ますよ。
「ヤヤコシイワ!!」
――……他の台よりは簡単ですけどね。
「マァエエ。今日は勝チ負ケヤナイ。ツレガ喜ンデクレレバOKヤ」
――ご友人もパチスロを全然知らないのに、すごく楽しそうです。
「セヤロ? 日本ノコトガ好キミタイデ、何デモ楽シンデルワ。円安ヤシ、負テモ大シタコトナイヤロウシナ」
――ジャグラーを契機に、もっと日本を好きになってほしいですね。
「ツレが質問シタイラシイワ。……OK。パチンコ屋=カジノカ? ダッテ」
――微妙な話ですけど、実質的にはそうかもしれません。
「……OK。日本ハ不思議ナ場所ガ多イケド、ソコモ好キダッテ言ッテル」
――通訳してくれて、ありがとうございます。
「ヨシ、モウエエヤロ。ソロソロ違ウ場所ニ移動スルワ」
――まだ観光は続くんですね。今度はどこへ?
「ツレガ浅草ニ行キタイラシイネン」
――良いですね。浅草寺も素晴らしいし、街並みも風情がありますし。
「What's? Um……。浅草ノ近クニアル石鹸ノ国ハ何カッテ、ツレガ聞イテル。ナンテ答エルノガ正解ナノカ、教エテクレヘン?」
ABさんに幸あれ。
Youは何しにジャグラーへ?
板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。