企画

フランダースのジャグ【Youは何しにジャグラーへ? 26人目】

2022年12月4日

令和の日本において、身近に射幸性を堪能できる場所――。

今日も全国のパチンコ店には多くの老若男女が集合し、各々の好きな台に座って興奮、怒り、悔しさなどを味わっている。

数ある機種のなかで、もっとも人気を博している機種の一つがジャグラーシリーズだろう。

シンプルながらも奥深いゲーム性や「ジャグ連」と呼ばれる独特の出玉曲線など、魅力を挙げればキリがない。

つまり、ジャグラーに集う人たちの「打つ理由」も十人十色。実際に生の声を聞けば、単なる遊技の枠には収まらない、多様性に富む人間模様が垣間見えるはずだ。

この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。

さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。

 【Vol.26 フランダースのジャグ】

■日時:2022年11月某日(水) 21:00
■場所:東京都・某区
■取材対象:AAさん(推定19歳・男性・無職)
※了承を得た上でインタビューしています(フィクションも含まれます)

――Youは何しにジャグラーへ?

「あ、あぁ……」

――すみません、お話を伺っても大丈夫ですか?

「は、はい、だ、大丈夫です。うっ、うぅ……」

――コインサンドに千円札を入れる手が震えていますね。緊張?

「この2日ほど、水しか飲んでないんです。手持ちが少なくて」

――ジャグラーを打たずにご飯を買えば?

「だって、お金が増えるかもしれないじゃないですか」

――まずはご自分の身体を考えたほうが良いですよ。

「そうなんですけどね……。この2000円で結果が出せるはずです」

――そもそも、なぜこのような状況に?

「話すと少し長いですよ。お腹、減ったなぁ」

――後でおにぎりでもご馳走しますから。是非お願いします。

「ぼくは中学生の頃に両親をなくして、叔父さんの家に引き取られました。最初は叔父さんも叔母さんも優しかったのですが、徐々に冷たくなって」

――そんな過去があったんですか……。

「高校卒業の時点で家を出ました。しばらくアルバイトを続けていましたが、ちょっと身体を壊してしまって。そんなときに出会ったのがジャグラーです」

――普通に働けないから、ジャグラーを稼ぎの中心にしたと?

「はい。近所の設定状況も良かったですし、働くよりも時間が自由に使えますから、こりゃ良いやと」

――で、なぜ今はそんなに追い込まれているんですか?

「叔父さんです。数ヶ月前に突然現れて、これまでの養育費を毎月払えって。仕方ないけすけど、手元にお金はほとんど残っていません」

――もう、区役所などに相談してみては?

「でも、ジャグラーと一緒なら何とかなると思っています」

――ジャグラーは頼りになると。

「いつだって、ぼくの大切な友達です。苦しいときだって、寂しいときだって、いつも一緒にいてくれて、助けてくれた。きっと今日も……あ、あと1000円か……」

――震えが増してきましたね。

「だだだだ、大丈夫。ききききっと、今日も……」

――落ち着いてください。

「そ、そうですよね。頼むよジャグラー。残り37枚、28枚、17枚……あぁ、嗚呼……あっ!」

――きゃー!! やった!! ペカリましたね!!!!

「はい、ほっとしました……」

――私、おにぎりを買ってきます! 待っててください!

「ジャグラーありがとう。ぼくは疲れた。なんだかとても眠いんだ……」

AAさんに幸あれ。

Youは何しにジャグラーへ?

板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。

-企画
-,

Copyright© ほぼ毎日ジャグラーニュース , 2023 All Rights Reserved.