『ハッピージャグラーVⅢ』が導入され、さらに人気の勢いが増しているジャグラーシリーズ。
北海道から沖縄まで、全国津々浦々のホールでは数多のGOGO!ランプが瞬き、多くのプレイヤーを熱狂の渦に巻き込んでいる。
我々がジャグラーを支持する理由は、そのシンプルなゲーム性に魅了されていること、そして当然ながらギャンブルとしての成果を出すことにある。
しかし、本当にそれだけだろうか。心理の裏側を覗いてみれば、きっとそれぞれにオリジナルの「打つ理由」が存在するはずだ。
この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。
さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。
【Vol.24 ジャグラー動画と承認欲求】
■日時:2022年11月某日(火) 13:30
■場所:東京都・某区
■取材対象:Yさん(推定24歳・女性・無職)
※事前に了承を得た上で、インタビューした体のフィクションです。
「はーい! 今日は皆さんにハッピーを分けちゃおう! ということで、新台のハッピージャグラーを打ちたいと思いまーす♡」
――あのー、ちょっとお話を伺っても良いですか?
「(無視)キャー! 台がとってもキレイですねぇ! なんだか勝てそうな気がするー! それじゃスタートぉ!」
――あ、スマホで動画を撮影されてるんですね。
「よし、一旦切ってと。あれ? 何か用ですか?」
――すみません、ジャグラーを打つ理由を伺いたくて。
「は? あんたには関係ないでしょ。邪魔だからどいて」
――撮影中とは態度が違いますね……。
「っていうか、見れば分かんじゃん。あたしはパチスロの動画を配信してるの」
――ティックトッカーやユーチューバー的な?
「女子ライターって言ってもらえるかな」
――すみません、どこかの媒体やチャンネルでご活躍されてますか?
「は? 個人でやってちゃダメなの?」
――いえ、そんなことはないですけど。
「考えが古いんだよね。今は1人で何でもできるし、簡単に世界中へ発信できちゃうし」
――女子ライターになってから長いんですか?
「ううん、1ヶ月前ぐらいから始めた」
――きっかけは?
「いろんな動画を観て、あの程度なら自分でもできるなって」
――すごい上から目線ですね。
「大したことないのに、チヤホヤされている人もいるしさ。これは美味しいなって」
――ちょっと舐めすぎでは?
「あんたもライター? 全然観たことないけど」
――動画などには出ていません。それで、パチスロ歴は長い?
「1ヶ月前に始めた。まさにジャグラーでパチスロを覚えたんだよね。簡単だし」
――そ、そうですか。動画はどのような内容?
「あたしなりにジャグラーの楽しさを伝えてる。っていうか、ジャグラーを打っているあたしを観てもらうことが大事よね」
――勝敗や立ち回りはあまり関係ないと。
「みんな興味ないでしょ。あたしが目的なんだし」
――一人で喋っていると目立つのでは? それに撮影も大変そうですね。
「周りのことは気にしない。あと、動画はあたしのワンショットがメインで、台はあまり映さないから」
――そうですか、頑張ってください。
「あれっ、なにこれ? 台のエラー!? こういうときってどうするの? 店員さーん!……えっ!? 撮影許可は取ったのかって? なにそれ? 超面倒くさいじゃん!」
Yさんに幸あれ。
Youは何しにジャグラーへ?
板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。