誰がどう考えてもアツい特定日。
この日、朝から気合いを入れてホールに並ぶか、それともジャグリズム狙いをしていつも通りに立ち回るかで悩んでいた。
その悩みが私の判断を鈍らせたのか開店から1時間ほど経ってからホールに入るという、とても中途半端なことをしてしまった。
ホール内はほぼフル稼働。
空いている台は不人気機種か、そりゃ誰も座らないよなと早々に低設定挙動をしている台。ジャグラーのシマも例外ではなく賑わっていた。
私は1000G程度じゃジャグラーの高低は見抜けないと思っている。高設定だって大ハマリすることはあるし、それが朝イチに来ることだってある。
あくまで確率的に高設定ほど当たりやすくなっているだけだ。
設定8ぐらいの挙動をしている台を打てば、低設定を打つリスクは避けられるだろう。だが、それだと掛かりの悪い高設定を見逃すこともある。
なので、ある程度サンプルが集まるまでは、多少の挙動の悪さは目を瞑っても良い。
…という考えなのだが、視界に入る空台はノーボーナスで300G以上ハマっている台ばかりという状況。
もちろん、この中にも高設定が眠っているかもしれないが、これらを1台1台耕すのはリスクが高すぎる。
また、肝心のジャグリズム狙いもここまで稼働が良いとどうしようもない。
立ち回りに失敗したときは足掻くことはせず、素直に帰宅することが一番…。
と、ホールを出ようとしたのだが、1台だけ、本当に1台だけ、40Gしか回っていないマイ5を発見した。
どうして、この1台だけほぼ手付かずなのか。40G程度じゃ何も分からないと思うのだが、不思議と誰も座ろうとせず避けられて空き台となっていた。
残り物には福があるかもしれない、ハマっている台を打つよりはましだろう。そんな軽い気持ちで私はその台を打つことにした。
昨日のデータを見ると、あまり芳しくなかった模様。設定だけでなくジャグリズムもイマイチだ。
もし、据え置き&ジャグリズムも変わっていなかったら苦戦を強いられることになるので、きらりと光る部分を感じ取れなかったら粘らないほうが良いだろう。
そう戦略を決めて打ち始めると、どうして空き台となっていたのか、その理由がなんとなく分かってきた。
隣で打っている青年がうるさい。
台パンとか強打とかではなく、友達と連れ打ちしているのか大声でペチャクチャと喋っていた。
勘違いしないで欲しいのは、連れ打ちが悪いわけでも、仲良く喋りながら打つのが悪いわけでも、楽しみながら打つのが悪いわけでもない。
とにかく、いちいちうるさいのだ。
「そろそろ来るぞ、来るぞ。いけー、ペカれ!!」
そんな少年漫画誌の主人公みたいなノリで気合いを入れすぎて打っていた。
ここぞという場面ならアツくなるのは仕方がないことだと思うが、どうでもいいところでここまで気合いを入れられるとあまり心地の良いものではない。
ただ、これに嫌気がさして、すぐにヤメた&放置されている、のであればこの青年のおかげで私は打つことができているので複雑な気持ちだ。
もし、この台が高設定だったら青年に感謝をしてしまうかもしれない。
だが、回せど
回せど、何も起きず。
気付けば300Gハマリ。
これで高設定を否定したことにはならないが、前日の状況を考えるとヤメたほうが良いだろう。
ということでヤメ。
私は負けた、7千円負けたのだがそれでも私は隣の青年に感謝をした。
気合いの入りまくっていた隣の青年はボーナスを当てに当てて、高設定かもしれないと思えるぐらい合算が良くなっていた。そこで私はピンときた。
それは気合いだ、気合い。
この日、私は気合いを込めて打てば台も気合いが入って絶好調になる…こともあるということを学んだ。
負けたけれど、それ以上に得るものが大きかったので感謝した。
これは実践する価値がありそうだ。ただ、周りに迷惑が掛かるので、アツく叫ぶのは心の中だけにする。
こうして私は新たな戦略を手に入れて、億り人にまた一歩近づいた。
ジャグラー投資家の華麗なる日常
自称・ジャグラー投資家であるゴーゴーマン・サックスが、リアルな高設定狙いのほか、ジャグラーオリジナルの立ち回り「ジャグリズム」「波読み」などを披露する実戦メインのコラム。一般的にはオカルトと言われる立ち回りがどのような結果をもたらすのかが見ものである。