企画

ジャグラー社会学講座【Youは何しにジャグラーへ? 20人目】

2022年9月22日

社会的な表舞台には立たずとも、確実に日本を代表する文化の一つである回胴式遊技機。その中で、名実ともにNo.1の存在はジャグラーシリーズだ。

季節が移ろい、社会情勢などが変化しても、全国のホールでは常に大量のジャグラーが配置され、多くの老若男女が集っている。

彼らが目指す最大のゴールは、当然ながらギャンブルとしての成果を得ることだろう。

しかし、各々の思いや背景を深掘りしていけば、実際には金銭が絡まない「打つ理由」も存在するはずだ。

この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。

さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。

 【Vol.20 ジャグラー社会学講座】

■日時:2022年9月某日(月) 14:00
■場所:東京都・某区
■取材対象:Uさん(推定46歳・男性・大学教員)
※事前に了承を得た上で、インタビューした体のフィクションです。

――Youは何しにジャグラーへ?

「まずは私の名刺をお渡しします」

――○○大学社会学部の准教授? スゴイですね。

「いえ、大したことはありませんよ。ふふっ」

――准教授という仕事とジャグラーに関係が?

「現在進めている研究テーマがジャグラーなんです」

――具体的には?

「あまり難しい話をしても分からないと思いますけどね」

――すみません、素人でも理解できる範囲でお願いします。

「う~ん、どう説明すれば良いんだろ。だって貴女は社会学の基本を知らないですもんね?」

――……じゃあ、もう結構です。さよなら。

「ちょ、ちょっと待って。今から話しますから」

――最初からそう言ってください。

「簡単に言えば、ジャグラーの客層や稼働状況などを調べることで、日本人の行動形態の時代的な変化をリサーチしています。同時に日本経済のマクロ的観点や心理学などもコンシダレーションしながら、社会行動学をより立体的にしようかと」

――すみません、全然分かりません。

「そうですか? 分かりやすく言ったつもりなんですけどねぇ」

――……ありがとうございました。それじゃ。

「ちょ、もう少し説明させてください」

――なんですか、本当は構ってほしいんじゃ?

「私がジャグラーを打つ理由ですけど、これはフィールドワークの一環です」

――横文字を多用せず、日本語で言ってください。

「フィールドワークとは、実際に現地の状況を見たり、現場の声を聞いて、研究に役立てることですね」

――それぐらい知ってますけど。

「すみません…。つまり、私はジャグラーを打ったり、いろいろ調べながら、日本という社会がどのようなものかを調べているわけです」

――何となく分かりました。研究を始めた理由は?

「実は学生時代、ジャグラーにハマりまして。勉強も疎かになってしまい、大好きだった彼女とも別れて。なぜ自分はここまでジャグラーが好きなのか、いろんな角度から研究したくなったんです」

――ダメな学生だったんですね。

「……はい。今も単純にジャグラーが打ちたいだけかもしれません。フィールドワークとか言っていますけど、これしか楽しいことがないんですよね…」

――そうですか。

「どうして私はこんなにもジャグラーのことが好きなんでしょう? 貴女、理由を知りませんか? もう少しお話して、私や日本のことを分析してくれませんかね?」

Uさんに幸あれ。

Youは何しにジャグラーへ?

板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。

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