音楽は聞く専門で、楽器を演奏するとか、人前で歌ったりするとかは苦手な中野和彦です。
現代音楽の礎を築いたのはベートーベンだそうで、彼が発明した手法は、今尚多くのアーティストが模倣しているといいます。
例えばエリーゼのためにの「タタタタタタタタタ~ン」というオルゴールや電話の保留音にも使われている、節が繰り返されることで有名な曲です。
メロディを繰り返すというこの手法は、ブルーハーツの「リンダリンダ」やPerfumeの「チョコレート・ディスコ」などに取り入れられていることで知られています。
さらに、サビを楽曲の冒頭に持ってくるという手法もベートーベンが編み出したと言われています。
「運命」などがその典型ですが、この手法も多くのアーティストが取り入れています。エレファントカシマシの「今宵の月のように」やゴールデンボンバーの「女々しくて」なんかは冒頭にサビが歌われていますよね。
さて、TVから得た雑学をひけらかすのはこれぐらいにして、取材レポートをお送りしようと思います。
今回は特別編ということで、過去に伺ってから現在の状況に繋がる話を掲載します。
過去によく取材させていただいたZ店ホールが、近々閉店を迎えることとなりました。
売り上げの低下により、オーナーさんがこれ以上は続けられないと判断されたんだそうです。
このホールはビル全部がこのオーナーの持ち物で、ビルにはパチンコ・パチスロの他、複数の居酒屋やカラオケ店が入っています。
※写真はイメージです
ホールはご自社運営でしたが、オーナーさん自身はパチンコ・スロットに全く興味がなく、儲かるからホールを運営していただけだったそうです。
儲からなければ新たな商売を始めるなどは自然な流れですが、6号機の時期だからということではなく、過去に何度も閉店の話は出ていたそうです。
以前取材した音声データを確認したところ、店長さんがそのお話をされていたことがありました。
5号機の頃の話で、ジャグラーを含めたホール全体の設定配分を伺いに行ったときのことです。
※写真はイメージです
Z店長「中野さん、やばい…。オーナーがヤメたがってる(汗)」
中野「マジですか。売り上げが厳しいってことですか?」
Z店長「前より少し下がったってだけで、全然大丈夫だと思うんですけどね」
中野「ということは、しばらくは“抜き気味”になるってことでしょうか」
Z店長「そうなりますね。オーナーにとって稼働がどうのって話をしても分からないからね。売り上げと利益しか見てくれない(汗)」
中野「それはしんどいですね」
Z店長「売り上げが落ちたのも、稼働を上げるために甘めの配分にしていたからなんですけどね」
中野「具体的には?」
Z店長「ジャグラーは平日でも設定6を使って、設定1は使わないとかね」
中野「イベント日はどうなんでしょうか」
Z店長「各シマに必ず設定6を投入し、設定4or5も投入。もちろん設定1なし」
※写真はイメージです
中野「そりゃ、利益も減りますね」
Z店長「そのおかげで、稼働は上がりつつあります」
中野「それによって、薄利ではあるが長い目で見ると、増収増益に繋がる…って話で説得はしないんですか」
Z店長「そりゃぁ当たり前のようにやってますよ。でもオーナーは目先の数字なんです」
中野「売り上げや利益はそんなに厳しいんですか?」
Z店長「いや、決して厳しくないですよ。前にいた店に比べても儲かってますよ」
中野「でも、オーナーさんは辞めたい…何故なんでしょう」
Z店長「うまい話が数件持ち込まれているみたいです。チェーン系の居酒屋とか、レクリエーション施設? ダーツとかでしょうかね」
中野「そっちの方が儲かると!?」
Z店長「儲けが同じか少し減るくらいなら飲食などにしたいんでしょう。周囲の印象とか資金繰りを考えると」
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中野「資金繰りですか」
Z店長「ウチの店の話ではありませんが、パチンコ店に融資するときは、飲食店やその他の施設に比べると3~5倍の担保なり保証が必要になるらしいです」
中野「パチンコ店の経営は我々が想像する以上に大変ということですね」
Z店長「そうなんですよねえ。いずれにしても、僕もオーナーに辞められたら困るので、もう少し利益重視で店を回していかなきゃいけなくなりそうです」
中野「なるほど…。大変そうですけど、頑張ってください」
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Z店の場合は売り上げ・利益の減少も問題なのでしょうが、倒産するような状況ではなく、儲からないなら他業種に移行しようという、軽めの閉店のようです。
困窮のために閉店するホールは、ある程度仕方がないのかも知れませんが、パチンコ・パチスロにそれほど情熱を注いでいない法人は閉店へのハードルが低い。
これは、打ち手にとって大問題です。ホールが減ると競争原理が働き難くなり、低設定放置という殿様商売を招きかねません。
※写真はイメージです
業界を牽引している偉い方々には、状況の深刻さを認識してもらい、一刻も早く何らかの手を打ってもらいたい。
つまり、早めに7号機へ移行してもらいたいものです。
ホールサイドのジャグ雑感
中野和彦(なかのかずひこ)が自分の人脈を最大限に引き出し、ホールによるジャグラーの扱い方などを紐解く。読者の皆様にホール店長の考え方やジャグラーシリーズの設定配分などを知っていただくための取材日記。