企画

ジャグプロへの憧れ【Youは何しにジャグラーへ? 9人目】

2022年5月9日

社会情勢や景気がいくら不安定でも、常に変わらず娯楽を提供する空間――。

今日も日本全国津々浦々のパチンコ店では、ジャグラーのシマに多くの人間が集っている。彼らの最大の目的は、おそらく財布の中身を増やすことだろう。

しかし、きっとそれ以外にも十人十色の「打つ理由」と、透けて見える「人間模様」があるはずだ。

この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。

さて今回はどのような物語が紡がれるのだろうか――。

 【Vol.9 ジャグプロへの憧れ】

■日時:2022年4月某日(月) 10:00
■場所:東京都・某区
■取材対象:Iさん(推定20歳・男性・学生)
※事前に了承を得た上で、インタビューした体のフィクションです。

――Youは何しにジャグラーへ?

「おれ、スロプロをやってるんだよね。今一番喰えるのはジャグラーだから、それで打ってんの」

――なぜスロプロの道へ?

「なぜって…なんかカッコよくね?」

――そうですか?

「言いたいことは分かるよ。でもさ、無頼派っていうの? ギャンブルで喰っていくのはロマンがあるっしょ」

――ご家族などの反応は?

「今は実家から離れて一人暮らし。親はちゃんと学校に行ってると思ってるんじゃない?」

――実際は学生さん?

「今年で大学2年生。単位は全然取ってないけど。幸か不幸か、近所にこの美味しいホールがあったから、それもスロプロになった一因かも」

――収支は順調?

「う~ん、ぼちぼちかな。まぁ負けても親から仕送りがあるし、家賃も払ってくれてるしさ」

――そ、そうですか。

「やっぱさ、ジャグラーの設定看破って難しいじゃん? 小役をカウントしたって、正確には分からないし」

――毎回、ブドウとかを数えている?

「…え、ベルじゃないの?」

――逆にベルを数えるのは大変では?

「もちろん、ボーナス出現率だって見てるよ。設定6はBIGとREGの比率が1:1。これって意外と大事なんだよなぁ」

――ちなみに今打っているファンキー2は違いますけど?

「い、いや、知ってるよ。っていうか、勝てるかどうかなんて運じゃん!」

――プロだから、遠くのホールに遠征したりも?

「えんせい…って何?」

――誰かに勝ち方を教わったことは?

「ほとんど動画。あとは独学だよ。ほら、スロプロって孤独だから」

――もしかして、動画を観てスロプロに憧れている人?

「ちょ、ざけんなよ! 俺はパチスロで喰ってるの! ほら、今日だってBIGを2回も引いて、大勝ちだもんね」

――がんばってください。

「言われなくたってやるよ。よし、じゃあそろそろ帰ろうかな。…お姉さん、この店の換金所ってどこにあるんだっけ?」

Iさんに幸あれ。

Youは何しにジャグラーへ?

板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。

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