数あるパチスロマシンのなかで、不動の地位を築いているジャグラー(シリーズ)。
今日も全国のホールには多くのファンが訪れ、そのゲーム性に酔いしれている。
おそらく、彼らがジャグラーを打つ最大の理由は、ギャンブルとしての勝利を求めているからだろう。
しかし、その裏側には金銭の価値では測れない、プライスレスな「打つ理由」が隠されているはずだ。
この企画では、自称ジャーナリスト・板橋北子(いたばしきたこ)がゲリラ取材を敢行し、「Youは何しにジャグラーへ?」と問う。
さて、今回はどんな物語が紡がれるのだろうか――。
【Vol.6 独身生活にジャグの刺激を~特別編その1~】
■日時:2022年4月某日(月) 20:00
■場所:東京都・某区
■取材対象:Fさん(推定29歳・男性・会社員)
※事前に了承を得た上で、インタビューした体のフィクションです。
――Youは何しにジャグラーへ?
「まぁ暇つぶしかな。会社帰りに週4回ぐらい。昔は夜に飲みへ行ってたけど、最近はコロナで激減しちゃって、それでジャグラーを打つ回数も増えたね」
――ご家族は?
「一人暮らしの独身だよ。だから家に帰ってもつまらない(笑)。シコシコして寝るだけだもんね」
――ちょっと何を言ってるのか分かりません。
「またまたぁ。でも、これ以上言うとセクハラで訴えられそうだから控えるわ」
――ジャグラーの好きなところは?
「パチスロを覚えてから10年ぐらい経って、色々と打ってきたけど、やっぱジャグラーは安心感がある。ぶっちゃけ、ほとんど何も知らなくても打てるというか」
――他の機種は違う?
「例えばAT機なら、当選契機とか、天井とか、内部数値とか、色々覚える必要があるでしょ。知らないとハイエナされるし、明らかに損するもん。ど素人がベテランキャバ嬢を攻略するようなもんで、ハードルは高いよ」
――そういうものですか。
「それに、ジャグラーはいつでもヤメられるのが良いよね。高確中だからとか、チャンスゾーンだからとか、そんな理由で引っ張られることがないでしょ。まぁ、他のノーマルタイプも同じだけどさ。あ、それと…」
――それと?
「これは個人的な意見だけど、ジャグラーのシマにいるお客さんは温かいと思う。ギスギスしてないし、お互いの仲間意識が高いというか」
――だからこそ、余計にジャグラーのシマへ通ってしまうと?
「そうかもしれない。常連さんとの会話とか、『またあの子に会えた』とか思えるのも楽しみの一つかな」
――独身の寂しさも紛れる?
「う~ん、多少は紛れているんじゃないかな。でも、根本の寂しさはそのままだし、しばらくはシコシコ生活だろうけど」
――頑張ってください
「何を頑張るんだよ(笑)。まぁ、ありがとう。それじゃ勝負に戻るわ。あの子、今日も来てるかな…」
Fさんに幸あれ。
Youは何しにジャグラーへ?
板橋北子(いたばしきたこ)がアポ無し取材を敢行し、ジャグラーを打っている人々に「Youは何しにジャグラーへ?」と問う、インタビュー形式のコラム。「ジャグラーを打つ理由」を聞き、ドラマチックな人間模様や波乱万丈の物語を紹介していく。