俺の名はカズ。
20年以上に渡って1つの会社に勤務し続ける勤勉さが自慢のしがないサラリーマンさ。
そんな俺の楽しみといえば、毎日パチスロを打ち、勝利した日はその足でガールズバーでドンチャン騒ぎすることくらいなものだった。
しかし、会社でそこそこの地位になったこともあって、今では毎日のように豪遊するなんて夢のまた夢。パチスロもガールズバーもたまの休みに味わう些細な幸せくらいになっちまった。
とはいえ、些細な幸せを味わう時くらいは目一杯味わいたい。
そこで俺は考えた。自分自身にこんなマイルールを課そうってね。
どんなルールかと言うと…
【マイルール】
■ジャグラーシリーズの機種で実戦。
■実戦開始時間に縛りはないが終了時間はガールズバーの鍵開け(開店)に間に合うまで。
■勝利時は勝った金額内ならガールズバーで豪遊可能。敗北時は原稿料から初回セット料金(ドリンク別なら1杯)のみ負担するが、それ以外でお金を使うことは禁止。
つまり、パチスロで大きく勝利できれば必然的にガールズバーでの楽しいひと時が約束される。
逆に1セットの料金以下の勝利や敗北なんてしようものなら、待っているのはお預けを喰らった飼い犬の如く、指を咥えて女性キャストを眺めるだけの凌辱的プレイが待っている。
そんな仕打ちを受けないためにも、今回もきっちり勝利を収めて美酒に酔いしれようと思う。
さて、実戦前に現状のガールズバー事情を話しておこうと思う。
現在、都内は緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行したものの、お酒の提供は夜19時まで。滞在時間は90分までなど、縛りの多い内容での営業が義務づけられている。
店を潰しかねないという理由から渋々ルールを破って営業を続けているお店も非常に多いなか、一握りではあるが、きっちりルールに従って営業しているお店もあるにはある…といった状況だ。
できることなら、そういったお店こそ応援したい。特に、普段通ってるお店がそういった状況なので、少しでも助けになってあげたい。
90分という時間制限こそついてしまうが、その中で出来る限り楽しみたいし、頑張ってるキャストの子達にも楽しんでもらいたい。
そのためにはどんな手を駆使してでも出玉を出すっきゃないだろ。
そんな想いから今回立てた作戦はズバリ…おやつの時間からホールに出向き、その時点でもっとも履歴の良かった台に座る。
まぁ、3時のおやつ大作戦とでも呼ぶべきかな。
この日のおやつはど〜こだ?
ホールをじっくり徘徊して見つけたのは…6号機のアイムジャグラーEXで朝イチから519Gしか回ってなかった台。
それなのにボーナス履歴はBIG4回、REG3回と何故捨てられているのかわからないくらいの謎台に遭遇することができた。
どうやら今宵のガールズバー応援大使は俺で決まりだな。
そう意気込んで打ち込んでみたのだが…
202 REG 7K
144 BIG 3K
と、今ひとつ波に乗れず。
頼むから前任者がエスパーでしたよってオチだけは勘弁してくれよ!
しかし、想いとは裏腹にじわりじわりとハマリの影が迫ってくる。
それこそ、400や500Gで当たればまだ建て直しがきくけど、時間のことを考えるとこれ以上のハマリだけは勘弁してくれっ!
なんて願いも虚しく、いきなり土俵際まで追いやられてしまった。
670 ヤメ 16K
さすがに、ここから建て直すのは厳しくないか?
心がポキッと折れる音がハッキリ聞こえそうになったその時だった。
な、なんと、2000Gほど回してボーナス合算約1/90の台が目の前で空いたじゃないか。どうしても俺にガールズバーを応援させたいってことね。
わかったよ…このチャンス、きっちり決めてやるっ!
68 REG 3K
37 REG
191 REG 3K
34 REG
100 ヤメ
総投資:32000円
回収:0枚
換金:0円
収支:-32000円
結果、待てど暮らせどBIGだけが引けず。
ボーナス合算はさほど変わらないのに負債を上乗せする形で実戦終了となってしまった。
はぁ…こんなにガールズバーに向かう足取りが重いなんて。
店に着くと、ボーイに何も告げてないのにマイ・スイートエンジェルこと、いつものお気に入りのキャストが今日もついてくれた。
今日は頑張ってる店…そして、頑張ってるこの子を純粋に応援したい!
その気持ちだけは嘘じゃなかったのに…。
一緒に乾杯しても良い?の一言に、いや…今日は色々あってダメなんだよと応える俺。
90分フルタイムでオアシスのような潤いを与えるつもりが、60分乾き切った砂漠のような時間を過ごさせるなんて…。
ダメなのは痛客感満載のお前の方だよ。
そう、心の中で何度も呟き続けたさ…。
もう、いくら天使すぎるマイスイートエンジェルとはいえ、ここまでのことをしたら例え嫌われてしまっても仕方ないよな…それくらいの気持ちでいたが、まさに彼女は天使かその生まれ変わりなんだろうか?
そんな自分に対しても、別れ際にまたゆっくり飲もうね♪と100%の笑顔で言ってくれるだなんて…。
もうこんな誰が考えたかわからない糞みたいなルールなんて破って俺は彼女のドリンクバーになりたい。ルールを決めたやつを全力でぶん殴りたい!それくらいの気持ちになったさ。
もっとも、ルールを考えたのは俺なんだけどな…。
性格の悪い…いや、普通の子であっても、口を訊かれなくても文句も言えない状況なのに、帰り際に笑顔で頑張ってねと言ってくれた彼女を見て正直思ったよ。
むしろ、応援したかったのは俺の方だし、マジで2台目のアイム…お前だけは本気で頑張るべきだっただろってね。
ジャグラー代-32000円 ガルバ代5000円
計-37000円也。
ジャグラーガール・ズバー
バツイチ独身サラリーマンで少しハードボイルド系のカズが趣味であるジャグラーと夜の街を掛け合わせた実戦コラム。ジャグラーで勝利できれば、プラス分のなかで豪遊する予定ですが、もちろん、新型コロナ予防対策に十分気を付け、節度を持って行動します。