今年の梅雨は例年になく長い…このコラムがアップされる頃には梅雨が明けていることを期待する中野和彦です。
この時期、私はかなり憂鬱になります。ジメジメと蒸し暑いので当たり前だろうと思われるかもしれませんが、それに天然パーマという難題が私にはひとつ乗っかるのです。
取材時などは出掛ける前に一応セット的なことをするんですが、一歩外へ出ると、湿気で髪の毛が爆発!!
よく知るホール関係者様は分かっていただいていますが、初対面の場合などは第一印象で不快感を与えてしまわないか、心配になってしまいます。ですから、この時期はできるだけ髪の毛も短めにし、例月より早いスパンで散髪に行くよう心掛けていますね。
さて、私の取材先は都内が多いため、商圏の遊戯人口・客層・駐車場や駐輪場などの設備など、比較的条件が似通っているホールが多いんです。
※写真はイメージです
しかし、当コラムは都内在住の方や地方の人口密集地の方だけに読んで頂いているわけではない。
そんな思いから、首都圏ではない某県郊外店(スロット設置台数400台弱のA店)でお話を聞いてきました。テーマはイベント日のジャグラーの扱いについてです。
中野「よろしくお願いします。今日はイベント時のジャグラーの扱い方について伺わせていただきます」
A店長「ウチはややジャグラーがあまり強くないので、参考になるかどうかわからないけど…」
中野「A店は頻繁にイベントをやってらっしゃいますが、ジャグラーに特化したイベントはありますでしょうか?」
A店長「ジャグラーだけのイベントは行っていませんね」
中野「全体イベントの頻度はどのくらいでしょうか?」
A店長「大きいのは月3回、それ以外に週2回程度です」
中野「月に10回以上あるのに、ジャグラーはイベント対象外ということでしょうか?」
A店長「イヤ、特化したイベントがないだけで、全体イベントでジャグラーも対象ですよ。ジャグラーに限らず、機種特化やメーカー特化というイベントが嫌いなんでね」
中野「そうでしたか。しかし、それだとイベントのアツさを告知・周知させるのが難しくないですか?」
A店長「機種名やアツいシマの告知がない代わりに、公約をできる範囲で告知しています」
中野「公約とは?」
A店長「設定6を何台投入しますとか、1/2の設定5・6シマを何箇所設置しますなどですね」
中野「それって可能なんですか?」
A店長「かなりグレーだと思いますが、現状はできています」
中野「その対象がジャグラーになることもあるんですね」
A店長「もちろんです」
中野「ただ、その手のイベントでは、ジャグラーに限らず育成したい機種などの稼働を上げるのは難しくないですか?」
A店長「その通りですね。しかし、機種に特化したイベントは、その機種が好きな人だけに向けたイベント…つまりこっちがお客様を選んでいる感が出るのが嫌なんですよね」
中野「なるほど」
A店長「特にジャグラーは嫌ですね。ウチは、都会の店と違って一見さんがほぼいません。ほかの機種もそうですけど、ジャグラーは特に、○○ジャグラーを打ちたくて来店してくださるんです」
中野「しかも、ほぼ全ての人が車での来店ですよね」
A店長「そうです。わざわざ車でジャグラーを打ちに来た時にジャグラーのイベントをやっていて、普段見かけないような上級者がシマを占拠していたら…嫌な気持ちになるでしょう?」
※写真はイメージです
中野「まあ、そうですね」
A店長「下手をすると、常連様を失うことにつながるかも知れない…だからこそ、ジャグラーを煽るようなことはしない、もちろん他の機種にしても同じです」
中野「機種特化イベントがないのは納得です。では、イベントでのジャグラーの設定状況は、どんな感じでしょうか」
A店長「公約系なので、特定の機種に偏らないよう分散させています。ですから、ジャグラーが薄くなることも当然あります。ただ、全台系のフェイクを作る必要がありますし、単体のフェイクを作ることも当然します」
中野「対象になったときは…?」
A店長「過去の話で言うと、一応全機種で全6は経験済みですね。マイジャグⅢの時はひどかったです」
中野「真っ赤っか…ですか?」
A店長「仰る通りです」
中野「非対象の時は…具体的に」
A店長「各機種に設定5or6は最低1台使います。それと設定4は複数台使うかな。あと、設定1はありません」
中野「それで、利益は出ますか?」
A店長「出るわけないじゃないですか。イベントですよ、赤字です、赤字!!」
中野「それって許されるんですか」
A店長「イベントで赤字を打っても、全体的に稼働が上がって売り上げ・利益ともに上がってますから、上司も納得してくれてます」
中野「なるほど…大変参考になりました。ありがとうございました」
目的を持って来店されたお客様をないがしろにすることなく、楽しんでいただく…A店長のポリシーはそこにあるみたいです。
また、イベント時に信頼を獲得し、通常営業の底上げを図る。この考え方も非常に大事なようですね。ちなみに、私が取材した日はたまたまイベント日だったのですが、この日の設定6は40本あったそうです(もちろん設定4・5も多数)。
こんな店、東京や神奈川にあったら毎日通うのに…そう思いながら、帰路につきました。
ホールサイドのジャグ雑感
中野和彦(なかのかずひこ)が自分の人脈を最大限に引き出し、ホールによるジャグラーの扱い方などを紐解く。読者の皆様にホール店長の考え方やジャグラーシリーズの設定配分などを知っていただくための取材日記。